今村は野茂2世!

 広島大野豊ヘッド兼投手コーチ(54)が26日、広島・廿日市市の大野練習場を視察し、新人投手3人のブルペン投球を見守った。ドラフト1位今村猛投手(18=清峰)は、日米201勝を挙げた右腕で、広島の春季キャンプ臨時コーチ就任が決まった野茂英雄氏(41)と「雰囲気が似ている」とルーキーらしからぬ姿に大成の予感を抱いた。好素材のそろう新人に同コーチも大満足だった。

 約1時間半の視察を終えると、大野ヘッドは満足そうに振り返った。ドラフト1位の今村については、ルーキーとは思えないほどのマイペース調整を貫く姿に、今春季キャンプでも臨時コーチに招聘(しょうへい)している野茂氏の姿を重ねた。

 大野ヘッド

 野茂が入った感じだねえ。雰囲気がね。もちろん高校生らしさはあるんだけど、一方でもう何年もプロでやっているようなムードも持っている。ブルペンを見てても、バランスやフォームに気をつかいながら自分のペースで投げている。高校生でそういうことができる選手は少ないよ。

 今村は「野茂さんに似ている?

 まったく考えたことないです」といつものポーカーフェースで答えた。

 この日で2日連続ブルペン入りの今村は、立ち投げで40球を投げた後、初めて捕手を座らせて15球を投げ込んだ。投球のほとんどがストレートだったが、6球だけ武器にしているスライダーを試投した。大野ヘッドが見ていることも意識せず、いつも通りのマイペース。「今日は今まで投げた中で一番出来が悪かった。でも焦りはまったくないです。スライダーは感覚をつかんでおこうと思って投げました」と説明した。

 「全力投球はキャンプに入ってからになると思います」と話しており、現在でも力の入れ具合は7割程度。それでも伸びのある速球は、小気味良い音を立てて捕手のミットに吸い込まれる。

 大野ヘッドも「素材的にはいいものを持っているが、その良さはまだ出ていない。これから今以上のものを出してくれるはずです」と話す。もちろん高校生だけに、投球以外にもやるべきことはたくさんある。それでも「(キャンプが)楽しみですね」と大物ルーキーの可能性に手応えを得て、笑顔を見せた。【高垣

 誠】

 [2010年1月27日12時12分

 紙面から]ソーシャルブックマーク