西武のドラフト1位菊池雄星投手(18=花巻東)が宮崎空港で「サムライジャパン」級の警備を受けることが30日、分かった。31日、キャンプ地の宮崎入り。昨年2月、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表には約1000人が詰め掛けたが、同じ警備50人態勢がとられる。野球漬けとなるルーキー左腕は、疲労回復の秘密兵器としてマッサージ器具を持参する。この日は西武第2球場でスライダーを交えたキャッチボールで最終調整。またキャンプ地の南郷には、来年にも屋根付きの野外ブルペンが新設されることになった。

 31日にキャンプ地宮崎に乗り込む雄星が「VIP待遇」で出迎えられる。宮崎空港では昨年、WBC日本代表を約50人態勢で警備して迎えたが、今年も同じ態勢を続けることが判明。同空港の広報担当者は「(巨人が)歓迎セレモニーがないことでジャイアンツファンは減りそうですが、それでも菊池くんがいるのでWBCの時と同じ人出を想定しています。昨年と同じ人数で警備にあたります」と説明した。昨年はイチロー、ダルビッシュらが集合日となった2月15日に順次、宮崎入り。スター軍団を一目見ようと、約1000人が殺到した。

 キャンプ地が受け入れ態勢万全なら、調整も順調で不安は一切ない。そして過酷なキャンプを乗り切るべく、疲労軽減に秘密兵器を持ち込む。「キャンプにはいろいろ持っていきます。(体に張るタイプの)マッサージ器とか」と明かした。高校時代から徹底した体調管理をしてきた。野球部の専属トレーナーの部屋を積極的に訪れるなど、もともと意識は非常に高かった。しかし初めてのプロキャンプ、かつ注目度抜群だけに心身の疲労は計り知れない。低周波のマッサージ器であるとみられるが、これにより最速155キロ左腕の本領発揮がますます期待できる。

 この日の自主トレは軽めだったが、順調さをアピールした。キャッチボールは感触を確かめる程度に15分間で40球。距離は20メートルほどだったが、スライダーも6球投げた。「全然(スライダーの)感覚はないです。でも(受けた犬伏ブルペン捕手から)片りんというか、曲がる要素はあると言われました」と充実感を漂わせた。

 調整も順調で、“WBC級待遇”を受ける怪物左腕が、2月の宮崎を熱くする。【亀山泰宏】

 [2010年1月31日9時42分

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