実戦スタンバイを完了した。日本ハム・ダルビッシュ有投手(23)が13日にブルペン入りし、今キャンプ最多158球の投げ込みを敢行した。今季初の実戦登板が濃厚な18日韓国SK戦(名護)へ向けて追い込み、ピークをつくる調整法を実践。キャンプ中に「もう、これ以上投げることはない」と仕上げ過程でクリア必須の関門を突破、万全さに拍車がかかってきた。

 キャンプ中に予定していた球数を意識した、強度の投げ込み。女房役の鶴岡に乗せられて「開幕戦」まで、こなしてしまった。4年連続で開幕投手を務める、3月20日ソフトバンク戦(札幌ドーム)を想定。1番本多から始まる予想オーダーを挙げていき、最終7番に新加入のイ・ボムホを設定。昨年3月のWBC決勝の最終9回に一時は同点打を浴びた右強打者をラスト158球目で切り、打ち上げた。

 “夫唱婦随”で今キャンプに定めた、調整の山を登り切った。「体がきつかったので(球数を)投げようかどうしようか迷っていた。ツルさんが(打者名を)言うんで、僕もノッて投げました」。父ファルサさんら家族も駆けつけた中で見せた、充実の姿。厚沢投手コーチも「(調整は)ノーミスで来てる」と絶賛の嵐は増すばかりだ。疲労はピークに近い中で、鶴岡が「(シーズン中に)完封する時みたいな球だった」という出来。国内NO・1右腕の10年幕開けは、近い。【高山通史】

 [2010年2月14日10時22分

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