ソフトバンク松中信彦外野手(36)が、早ければ6日の巨人とのオープン戦(福岡ヤフードーム)にも実戦復帰する。右ひざリハビリで完全別メニュー調整のキャンプを終えた主砲は、2日から1軍練習に合流。回復具合と相談しながら試合出場のタイミングを探る。秋山幸二監督(47)は9日からの関東遠征までの出場を示唆。すでにフリー打撃を再開するなど順調な回復を見せる主砲が、遠征直前の週末に本拠地で打席に立つ可能性が高まった。

 開幕まで、残り20日を切った。だが松中の表情に、焦りは無かった。プロ初のB組(2軍)でのキャンプを終え、前日28日に福岡へと戻った。1日は本拠地・福岡ヤフードームで荷物整理。2日からは1軍に合流する。依然ダッシュはできない状況だが、昨年10月の右ひざ手術以来、一貫して開幕戦出場への思いはぶれていない。「福岡での出場?

 まだ考えてないです。まだ走らないといけないんで。出る時は出ます」と話した。

 そんな松中に、王会長もエールを送った。この日福岡ドームに姿を見せ愛弟子の復帰を熱望。「こっち(1軍)で一緒にやることで気持ち的にも盛り上がってくるでしょう。彼の姿を見るのが楽しみ」とエールを送った。

 松中は、早ければ6日の巨人戦にも実戦の打席に立つ見込みとなった。秋山監督は以前から、10日までのオープン戦出場が可能であれば、松中に20日の開幕戦へGOサインを出すことを示唆。「(松中が)走る部分で状態が上がってくれば、試合に出られる」と話していた。本人も9日からの関東遠征からは、本格的に試合出場したい意志を持っている。

 2日からは本拠地でオープン戦6連戦が組まれているが、数日間は試合前練習でもひざの状態を見ながらの「様子見」となる見込み。ただ首脳陣は本拠地での6連戦後に始まる9日からの関東遠征から“開幕モード”で戦う構え。大石ヘッドコーチは関東遠征に帯同させる野手について「15~16人になると思う」と話しており、松中も今週末には代打の打席に立ち、競争に勝ち抜く必要がある。DHでの出場が有力だ。

 松中は地味で苦しいキャンプを乗り越えてきた。毎日、周りから見てもわからないほど少しずつランニングの強度を上げた。歩くことからはじめたメニューは、キャンプの最終クールでスラローム走行を始めるまで段階がアップ。全力で走れないもどかしさを抱えながらも「打撃はすぐにはできないから」と、毎日バットだけは握った。

 松中は「明日からは早くきてやります」と車に乗り込んだ。早出でひざのケアやリハビリメニューを行い全体練習ではバットを振り込むつもり。主砲が必ず福岡のファンに「開幕OK」の朗報を届ける。

 [2010年3月2日10時57分

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