西武に16年ぶりに復帰した工藤公康投手(46)が左ひじに張りを訴え、2日のオープン戦ソフトバンク戦(福岡ヤフードーム)登板を緊急回避し、2軍降格が決定した。練習後に帰京した工藤は、3日以降に精密検査を受ける。左ひじは横浜時代の07年オフに手術を受け、その後も痛みに悩まされることが多かった。古傷の再発で開幕1軍は絶望的となった。

 古巣復帰初登板を予定していたソフトバンク戦前、工藤の左ひじが悲鳴をあげた。宿舎を出発前、工藤は潮崎投手コーチに登板回避を申し出た。07年に手術した後も、痛みに悩まされた古傷の状態が悪化。張りの程度について「想定内?

 投げられる状態なら投げてるよ」と話した。今季、実戦で1度も投げることがないまま、無念の2軍降格となった。

 

 渡辺監督は「そんなにひどくはない。ただ無理をする時期じゃないし、壊れるのが一番困る。開幕に間に合うことが目標じゃない」と説明した。左の中継ぎとして期待していたが、長いシーズンを見据え、万全の状態になるまで1軍昇格は見送る方針だ。前日1日には、滞在先の福岡のかかりつけの病院で診察を受けた。潮崎投手コーチは「病院で注射を打って、1日たって症状がどうなるかだったけど、回避したいと言ってきた」と状態は好転しなかった。

 現役最年長の46歳は体と相談しながら、開幕を見据え入念に調整してきた。初ブルペン投球は、投手陣で最も遅い2月9日。中継ぎを意識した連投は、1度しかできなかった。自身のブログでも「体よ、もってくれ」と祈るように記し、キャンプ打ち上げ後には「体調は万全でない」とつづっていた。寝違えて首を痛めた影響もあって当初、実戦初登板を予定していた2月28日の巨人戦も回避。さらにずれ込んだこの日のソフトバンク戦も、登板できなかった。

 今後は主治医のいる病院で精密検査を受ける。キャッチボールなど軽めのメニューで練習を終えると、顔を合わせたナインに「頑張れよ」と思いを託し、帰京した。古巣復帰で開幕1軍は絶望的となったが、再びはい上がる気持ちは失っていなかった。

 [2010年3月3日9時15分

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