<ソフトバンク4-4楽天>◇4日◇福岡ヤフードーム

 楽天の2年目左腕、辛島航投手(19)が開幕1軍入りへ大きく前進した。ソフトバンク戦の8回、3番手で登板。4番小久保からの右打者3人を抑えた。「ブルペンで直球が内に入っていたので、だったら内に投げようと」。外角要求に首を振り、内角を突いた。小久保を内角高めのつり球で空振り三振。内角打ちが得意な多村にもインコースを詰まらせ、中飛に仕留めた。

 福岡出身。スタンドには横断幕を振る家族の姿があった。「前日に電話した」との初々しいコメントとは裏腹に、マウンド上の姿は堂に入っていた。ブラウン監督は「自信に満ちた投球」。佐藤投手コーチも「反応を見ると、思ったより手元でボールが来ている」と、登板ごとに評価が上がる。信頼の置ける中継ぎ左腕はのどから手が出るほど欲しい。「アピールするつもりで投げてませんが、結果そうなれば」と辛島。無欲を通した先に1軍キップが待っている。

 [2010年3月5日8時26分

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