<巨人11-3中日>◇10日◇東京ドーム

 オレ竜が巨人に敗れ、再び首位に並ばれた。2-2の同点で迎えた5回2死一塁、チェン対小笠原-。リーグを代表する投打の対決が勝敗を分けた。2球目、中日チェン・ウェイン投手(24)の剛球は捕手小山の構えたミットよりわずかに内側に入った。「つまったから入らないと思った」。投手の思いと裏腹に打球は中堅フェンスを越え、決勝2ランとなった。

 「小笠原さんはいい打者ですから、わからないですが、普通はヤマを張っていないと打てないコースだと思う…」。試合後、小山が悔しそうにつぶやいた。小笠原は昨季チェンが25打数3安打、打率1割2分と完ぺきに抑え込んだ。だが、今季初対決で3安打を浴びた。1本目は外角のスライダーに対応されたが、2本目、3本目は内角の直球を打たれた。「わかっていても打てない」と形容されるチェンの直球を小笠原は読みと技術で打ってきた。逆転した2人の力関係がそのまま勝敗に結びついた。

 「いいのか、悪いのか、よくわからん」。6回9安打4失点で今季初黒星のチェンについて、落合監督は多くを語らなかった。ただ9日の吉見とともに左右の2本柱が「打倒・巨人」の中心となるのは間違いない。開幕戦から吉見、チェンと並べた狙いはこの巨人3連戦を見据えてのことだろう。吉見1勝2敗、チェン1勝3敗。2人が昨季の巨人戦成績を覆さないかぎり優勝は遠いということだ。

 「目に見えるミス、見えないミス、いろいろあるがこれだけミスが出たら負ける」。バントミス、守備のミスなどが出たゲーム後に落合監督はあらためて敗因を指摘した。それだけ両軍の力は接近している。

 「巨人は気をつけなければいけない打者が多い。もっとボールになるような変化球を投げないといけない」。チェンは帰りのバスに乗る間際、対策の必要性を口にした。小笠原に、そして巨人打線に、長い戦いの末に勝たなければならない。【鈴木忠平】

 [2010年4月11日11時23分

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