<巨人10-4広島>◇23日◇東京ドーム

 今季初のお立ち台から降りた巨人脇谷亮太内野手(28)は、ベンチ裏でちょっぴり恥ずかしそうに口を開いた。「沖縄の自主トレから、ずっと由伸さんにお世話になっていた。いつか一緒にお立ち台に上がれたらなと」。1点差に詰められた直後の8回2死満塁、代打で広島篠田から2点左前打。6回に同じく2点を挙げる二塁打を放った高橋由伸外野手(35)と一緒に、お立ち台で歓声を浴びた。

 中盤以降の猛攻が光った。初顔スタルツに5回まで3安打のみ。テンポよい投球に、1回のラミレスの2ランだけに抑えられていた。流れは、打順が3回り目に入った同点の6回に変わった。2死一、三塁から長野の内野安打で勝ち越し、高橋の二塁打で突き放した。1点差に詰められた8回は二塁打に四球を絡め、代打脇谷が2点打。坂本の3ランでとどめを刺した。

 巨人の底力を見せた。投手陣の失点を打線がカバー。その立役者が豊富にそろう。高橋は今月11日以来のスタメン出場。腰痛から復活を期す今季、開幕スタメンも打率2割と苦しみ、ベンチスタートが増えていた。殊勲打は外のスライダーに食らいついた技あり打。「代打でもスタメンでも同じ気持ちで準備しています」と、プロ13年目の高い意識が生きた。そして、脇谷。開幕は出遅れたが、勝負強い打撃は健在だった。9回のマウンドはクルーン。故障明けの守護神に6点差のセーフティーリードをプレゼントした。

 原監督は「(脇谷は)しぶとく打ってくれた。上げていって欲しい」と目を細めた。ベンチの戦力をフル活用し、つかんだ3連勝だった。【古川真弥】

 [2010年4月24日9時25分

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