<日本ハム3-5ロッテ>◇19日◇札幌ドーム

 ストレスのたまる一戦の中で、一番の歓声を浴びたのは、92日ぶりに1軍復帰した日本ハム中田翔内野手(21)だった。「やっぱり1軍は緊張感があるので、勉強になります。こんなに早くチャンスをもらえると思わなかった」と振り返る。4打席目には、ロッテ薮田から中前打も放ち「ホッとした」と素直な思いを口にした。

 5月に左ひざ半月板を手術し、10日のイースタン・リーグ楽天戦で実戦復帰したばかり。以降6試合の出場で22打数8安打7打点、2試合連続本塁打と成績は抜群だったが、1度も守備には就いていなかった。それでも「いい状態だと聞いていた」という梨田監督から即スタメンを命じられた。

 6回には先頭の糸井が四球で出塁すると、6試合連続安打中の陽に送りバントを指示し、1死二塁で中田に回ってきた。「あそこで打点を挙げられるようになってほしい。相当力んでいたね」(梨田監督)。結果はカウント0-2から、123キロのスライダーを打ち上げて遊飛。中田も「走者を次に進めたいと思ったんですけど。平常心でいけばいいのに(1軍では)自分自身で(スイングを)変えてしまっているんだなとわかった」と、反省した。

 中田の復帰は勝利につながらず、チームは6月1日以来となる3連敗を喫した。勝率も5割に逆戻り。それでも梨田監督は「まぁ、そこはあんまり深く考えないで」と、冷静に言った。球宴明けには高橋も復帰予定。順位争いが激しくなる終盤戦へ向け、戦力は整いつつある。【本間翼】

 [2010年7月20日11時31分

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