横浜が佐伯貴弘内野手(40)に、来季の戦力外を通告したことが9日、分かった。92年ドラフト2位で入団。98年の日本一時にはマシンガン打線の一員として、優勝に大きく貢献したが、今季の出場はわずか10試合。9打数1安打にとどまっていた。

 球団幹部はこの日の会談で、コーチとして残す考えもないことと、解説者など外部での経験を積んでも、将来的に横浜のユニホームを着られる保証はないことなどを合わせて通告した。チームを思ってのこととはいえ、歯に衣(きぬ)を着せぬ発言をしてきた佐伯を球団は受け入れなかった。

 今季初出場を果たした6月19日の阪神戦では、横浜スタジアムのファンから大歓声で迎えられるなど、依然として人気も高く、日本一を経験した功労者でもあるだけに、異例の“絶縁会談”だった。

 7月26日に、2軍に落ちた際には島田ヘッドコーチから「1打席にかける集中力を磨いてきてくれ」と言われ、調整を続けていたが、横浜で代打としての力を発揮する道は閉ざされてしまった。

 球団は今季限りで引退する場合には引退試合の開催を打診したものの、佐伯は首を縦には振らなかった。以前から来季も現役を続けたい意向を示しており、今後は他球団への移籍を視野に入れ、現役続行の道を探ることになりそうだ。

 [2010年9月10日10時24分

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