将来、米大リーグ挑戦を希望している中日チェン・ウェイン投手(25)が、来季も中日でプレーする意向であることが7日、明らかになった。今オフは初めて代理人を立てての交渉に臨み、11年オフのポスティングシステム(入札制度)でのメジャー移籍を訴えるとみられる。今季、チームトップの13勝を挙げた台湾人左腕は来年こそ日本一をつかみ、満を持してメジャーの地に乗り込む。

 今オフのメジャー移籍がささやかれていたチェンが下した答えは残留だった。今季はチームで唯一、開幕から先発ローテを守り続け、確実に成長を遂げた。だがメジャーの思いはひとまず封印する。チェンは「今年は去年よりも大量失点した試合が多く、納得いっていない。まだ日本で学ばなければいけないこともたくさんある」と語った。来年もドラゴンズのユニホームに袖を通し、リーグ連覇、そして目前で逃した日本一奪取を目指す。

 今季は来日7年目で自己最多となるチームトップの13勝を挙げた。だが、昨年は4点以上失った試合がわずか2試合だったのに対し、今年は7試合に増加。序盤はなかなか勝ち星が伸びず、防御率も1・54から2・87に下がった。チームは優勝したものの、個人的に100%納得する結果を残すことはできず、もう1年日本でプレーすることを決めた。

 チェンは今オフの契約交渉には、初めて代理人を立てて臨むと見られる。来季は中日に残るつもりだが、将来的にメジャーに挑戦したいという思いは変わっていない。「アメリカに行くのはそう遠くはない」とも話しており、代理人を通じて、来年オフのポスティングでのメジャー移籍を直訴するとみられる。

 球団幹部も「そう簡単に出ていってもらっては困る選手。当然、来年も大事な戦力として考えている」と話しており、今季1億1000万円(推定)だった年俸を大幅アップさせ対応する見通しだ。

 それでも、すでに米球界からも熱視線を浴びている。今季、チェンが登板する試合には、毎回メジャー球団の複数のスカウトが球場を訪れ、ネット裏で投球をチェック。ある球団のスカウトは「4、5番手の先発として計算できそう」と話すなど、評価は高く、来年オフの動向がさらに注目されることになる。

 [2010年11月8日11時1分

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