阪神藤川球児投手(30)が20日、来季の残留を宣言した。甲子園でファン感謝デーに参加し、クライマックスシリーズ敗退後初めて去就について語った。

 例年、ポスティングシステム(入札制度)によるメジャー挑戦要求が焦点となる契約交渉について「話は進んでるんちゃうかな」と説明。ただ阪神残留の方向かと問われると「それしかないやろ。何も起こってないんやから」と話した。

 「26歳の時にそうする(メジャーを目指す)と決めた。考えを変えるつもりはない。変えたら球団にも失礼だし、野球に対しても失礼だから」

 07年オフに初めてメジャー願望を公言。夢を追う気持ちは今も変わらないが、球団は同制度による移籍を認めていない。このオフもロッテ西岡がメジャー挑戦を認められた。09年WBCでチームメートだった楽天岩隈はアスレチックス移籍が濃厚となっている。

 「チャンスが広がって個人としてうらやましい。アメリカでチャレンジして」。藤川はあこがれを話す一方で、現実も理解する。海外FA権取得は順調にいって12年。タテジマに袖を通す限り、虎の一員として優勝を目指すだけだ。

 「海外FA権を取った時がタイミング?

 それは分からない。自分の状況や球団のこともある。しっかりした成績をトータルで出していくだけ。1年目2年目のプレーヤーじゃない。しっかり自分の仕事をできるように取り組むだけ」

 今季は58試合登板で3勝4敗28セーブ、防御率2・01。チームも激しい優勝争いに敗れ、日本シリーズ進出も逃した。球界を代表するクローザーとしては不本意な成績が残った。11年は虎に腰を据え、雪辱を期す。

 [2010年11月21日11時32分

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