4番いけるぞ!

 中日の新外国人ジョエル・グスマン外野手(26=オリオールズ2A)が2戦連続弾を放った。23日、韓国LGとの練習試合(北谷)に4番一塁で先発し、中堅右へ完璧な第2号。落合博満監督(57)は実戦でグスマンを4番で起用し続けており、シーズンで和田やブランコを押しのける可能性もありそうだ。

 完璧だ。グスマンは4回、1ボール1ストライクから真ん中高めにきたストレートを見逃さなかった。上からたたくように力強くインパクトすると、2段ロケットのように加速した打球はバックスクリーン右の芝生席に突き刺さった。

 「昨日よりもだいぶ感触はよかったよ。打った瞬間に入ったと思った」。

 前日22日に放った実戦1号は追い込まれた後に軽く当てた打球がスタンドインした。パワーに周囲は圧倒されたが、この日は打った瞬間にそれとわかる会心の当たりだった。

 圧倒的なパワーと状況に応じた打撃技術で1軍の戦力になれることは証明している。この2試合連続弾でさらに大きな期待も膨らんできた。15日の初実戦から落合監督はこの新助っ人をすべて4番で起用しているからだ。

 4番と言えば昨年6月に不振のブランコから和田にチェンジしたばかり。今年も本命は和田と見られているが、和田自身が「僕は4番タイプじゃない」と言うように和田を5番に置ける打線が理想だろう。もしグスマンが4番を打てれば3番森野、5番和田、6番ブランコという強力カルテットも夢ではない。

 「僕はドミニカでも、アメリカでも、常に4番を打ってきた。1、2、3番への攻め方と、4番への攻め方が違うということも知っている。経験からどういう打順かは理解している」。

 グスマンは4番起用について問われると、こう豪語した。天性のパワーゆえに昔から4番が「指定席」だった。この日も上位打者への配球をじっくり観察する様は風格があった。専用バットを発注したばかりで、現在は他人のバットを借りている。前日の実戦第1号はメーカーから借りたバリー・ボンズ使用のバットで放った。「しっくりきていたよ」。メジャーを代表するスラッガーと同じバットを軽々と使いこなす力は4番にふさわしいだろう。

 辻総合コーチは「まあ、結果が出たからよかったんじゃないですか」と、詳しい打順構想などについては語らなかったが、ブランコと同時出場した15日、17日も4番起用されたことから、有力候補であることは間違いない。本領を発揮し始めたG砲が打線の中心に座って動かない。【鈴木忠平】

 [2011年2月24日11時25分

 紙面から]ソーシャルブックマーク