<ヤクルト1-4横浜>◇26日◇神宮

 横浜森本稀哲外野手(30)に2度もガッツポーズが飛び出した。まずは3回。左中間フェンス直撃の先制2点適時二塁打で、拳を振り上げた。6回は守備。2死一塁、打者は宮本だった。「宮本さんの打球方向と、須田の調子から右中間と思っていた」と、その読み通りに抜けてきた打球を捕球し、二塁への素早い返球で補殺。リードを4点に広げた直後だっただけに、失点すれば流れが相手に傾きかねない。それだけにガッツポーズにも自然と力が入った。

 打率1割台という不振で交流戦途中から先発落ち。「試合に出ることが一番の練習。出なくていいと言われるかもしれないけど、必死にやってきた」と、交流戦後には2軍戦2試合に出場した。「FAで来て、何しに来たんだと思われたくない」。期待に応えようという責任感と、結果が出ないもどかしさ。そこから生まれる迷いと向き合い、自分を見つめ直してたどりついた答えは、「バント、エンドラン、守備。自分のいいところを出していけばいい」と、シンプルだった。

 第1打席で犠打も決めた。チームの連敗も3で止まった。浮上に欠かせないムードメーカーひちょりが、帰ってきた。【佐竹実】