ヤクルトに4年ぶりのキャプテン制が復活し、新チームリーダーに相川亮二捕手(35)が就任した。1月31日、那覇市内の宿舎で全体ミーティングを行い決定。小川淳司監督(54)就任後は初キャプテンで、21世紀以降は00~01年の古田敦也氏(46)、07~08年の宮本慎也内野手(41)以来3人目。相川は「強くしたい。強くなりたいと思う。個々を見ると戦力は他のチームより劣るところはある。個人ではなく、チームとして上に立ちたい」と、真剣な表情で語った。

 昨季はキャンプ時だけ主将がいたが、通年では不在だった。小川監督は「負けが込んできた時、不平不満が増えてくる。1年通して、チームがいろんな状況になった時、同じ方向を向いていかないといけない」と、引き締め役を期待した。昨季は最大10ゲーム差を中日に逆転された。苦しい時こそ、相川を中心に踏ん張って戦い抜く覚悟だ。

 これまで実質的なリーダーは宮本だった。相川は09年にFA移籍で加入。「(遠慮は)少なからずあった。今までは宮本さんが全部やってくれていた部分がある。自分も発信していこうと思ってます」と言う。宮本は「とにかく思ったことを口に出すこと。彼の考えや行動は誰もが認めている。これからは遠慮はチームの迷惑になる」と、全面バックアップを約束した。

 このオフは増渕、由規ら若手投手陣を連れてサイパン自主トレを行った。おとこ気あふれ、投手陣からの信頼は厚い。人生初のキャプテンに「やることは変わらないです」と繰り返した。時には厳しく、時には熱く、チームを引っ張っていく。【前田祐輔】