<DeNA0-1広島>◇7日◇横浜

 DeNAは広島から1点も奪えず、球団ワーストとなる4試合連続の完封負けとなった。前夜、前田健に無安打無得点試合を許した打線は6安打を放ち、得点圏に3度走者を進めたが、ホームは踏めず、8回無失点の先発高崎を援護できなかった。今日8日には森本を上位に、梶谷を下位に入れ替える打線改造を試みるが、中畑清監督(58)が「野球人生にない」と嘆くゼロ行進は止まるのか。

 どうしても1点が奪えない。広島を上回る6安打を放ちながら、好機であと1本が出ず、4試合連続の0封負け。中畑監督は「ホームベースは、こんなに遠いものだったんだね。こんなに1点の重さを感じたことは、野球人生の中でない」と、悔しさをにじませた。

 前夜、前田健にノーヒットノーランを食らい、雪辱を誓って臨んだ。前日6日は2番で使った梶谷を1番に戻し、2番荒波、3番石川と、今季初めて俊足3人を上位に並べて起用。“スーパーカートリオ”でバリントン攻略を狙った。しかし、1回に3者連続見逃し三振と最悪のスタートを切ると、その後も快音は聞かれず、結局3人で7三振。塁に出ることすらできず、中畑監督も「機能していないね。序盤にいい形をつくれないのが、ベンチの空気を重くしちゃってる」と嘆くしかなかった。

 リードオフマンとして、6試合で1番起用してきた梶谷が、ここ4試合無安打。井上打撃コーチが「打席の姿が完全に受け身になってしまっている」と指摘する通り、オープン戦で光った積極性が影を潜める。この試合では、前日の前田健がファーストストライク22球のうち、18球が外角だったデータから外に意識を持ちすぎると、広島バッテリーの逆を突く内角球に苦慮。「打席で考えすぎて、球の見極めができないでいる」(梶谷)と、後手となる悪循環が続いている。

 懸念していた若手の経験不足が早くも露呈したが、育てながら結果を出さなければいけないチームにとって、避けて通れない道。中畑監督は「新しいオーダーで最善の努力をしたい」と、梶谷は外さず、打順を下げることを決断。好調の森本を主軸の前に起用する方針を示唆した。「まだ力がないんだと、自分たちが何をすべきかシンプルに考えないといけないし、前を向いて戦うしかない」。開幕早々に直面した壁は、「我慢」という強い信念で乗り越える。【佐竹実】

 ▼DeNAが4日中日戦から4試合連続完封負け。連続完封負けのプロ野球記録は53年大映の5試合連続だが、セ・リーグで4試合連続は昨年広島に次いで9度目のワーストタイ。DeNAでは過去9度あった3試合連続を上回る球団ワースト記録となった。DeNAはまだ7試合目。63年阪神が17~20試合目に記録しているが、開幕から10試合を消化しないうちに4試合連続完封負けを食らったのはプロ野球史上初めてだ。また、1日阪神戦の8回からは38イニング連続無得点。こちらは大洋時代の55年8~9月に作った39イニング連続無得点の球団ワースト記録へあと1イニングに迫った。