<日本ハム9-2オリックス>◇4日◇札幌ドーム

 日本ハム斎藤佑樹投手(23)が先発し、7回9安打2失点の粘投で、チームの連敗を4で止めた。1回無死一、二塁のピンチを切り抜けて流れに乗ると、今季初の先発全員安打となる15安打9得点の大量援護も受け、ハーラートップタイの4勝目。自身の投球内容には不満も、しっかり試合を作った背番号18が嫌な流れを断ち切った。

 まるで敗戦投手のように、笑顔は一切なかった。斎藤はチームの連敗を4で止めたことも、今季4勝目にも表情は崩れなかった。「自分の力だけじゃない。あれだけ大量援護があれば、楽に投げられるので…」。7回を2失点でまとめた内容は、安定感を感じさせたが、本人は納得していない。「9回まで投げられるようにしないと」。目指すレベルが高いからこそ、ふがいなさを感じていた。

 最大のピンチは初回だった。いきなり無死一、二塁とされ、相手のクリーンアップを迎えた場面。3番後藤、4番李大浩を打ち取った後が本当の勝負だった。「バルディリスは調子が良いと聞いていたので、とにかく抑えないとと思っていた」。2試合連続サヨナラ本塁打など絶好調の助っ人にカウント1ボール2ストライクからボールになるフォークで空振り三振。「自分が乗るというより、相手を乗せないようにという感じだった」と、試合の流れ自体も引き寄せた。

 新エースへ駆けのぼるための大事なマウンドだった。チームは前日3日に今季初の4連敗を喫していた。「常にプレッシャーは感じています」。今季初の中5日で背負った任務は嫌な流れを断ち切ること。昨年までなら、連敗ストッパーはダルビッシュ(現レンジャーズ)が任されたポジション。昨年、チーム連敗を6度止めた大黒柱は海を渡ったが、今回は斎藤が役目を果たした。

 武田勝らに並ぶリーグトップタイの4勝目で、チームを救う粘りの投球にも「もっと自分の中で良くなるという感じがある。6、7回は思った通りの投球ができなかった。まだまだ上を目指さないと」。大量援護をもらいながら完投できなかったことが悔しさを増幅させた。

 目指す投手像には近づきつつある。「貯金を作れる投手になりたい」。1年目から言い続けてきた目標の1つだ。この日の勝利で自身の成績は4勝1敗。現時点での斎藤の貯金は3で、チームの首位快走の原動力になっている。故障者が続出する中、「とりあえず、自分は頑張るしかないので」。1つの勝ちに一喜一憂せず、ただひたすらに次の勝利を目指す。【木下大輔】

 ▼日本ハム斎藤が勝利投手となり、チームの連敗を4で止めた。斎藤が4連敗以上の連敗ストッパーとなったのは、4連敗で迎えた昨年8月27日西武戦(西武ドーム)以来、2度目。04年の本拠地移転後、チームの4連敗以上を止めた勝利投手は、ダルビッシュの7度が最多。昨年は、ダルビッシュが9月29日ソフトバンク戦(福岡ヤフードーム)で連敗(1分挟む)を9でストップ。ケッペルは2度あり、5連敗中(1分挟む)だった8月5日に勝利投手となり、9月9日(ともにKスタ宮城の楽天戦)には連敗を6でストップさせた。