コロンブスかノーベルか、阪神藪恵壹投手コーチ(43)が世紀の?

 大発見だ。16日から始まるセ・パ交流戦に向けてひそかに研究を重ね、「優勝の法則」を導き出したことを明かした。藪理論によれば、開幕から6投手で回すローテーションを4、5人に絞る模様。学術的戦法に加えて今日からのDeNA3連戦で弾みをつけ、セ・リーグ初となる交流戦Vは和田阪神がいただきだ~。

 論文やレポートにまとめたわけではないが、藪博士の頭脳に「必勝の法則」が固まっている。キーワードはズバリ「少数精鋭」。今年から1軍投手陣を率いる藪投手コーチにとっては、初めての交流戦。ここまでひそかに過去のデータを研究していた。05年から7年間の膨大なデータを洗い直す。そして、ついに…ある法則を発見した。

 「過去の交流戦で勝っている、優勝しているチームのローテーションを見ても勝つチームの傾向がある。(交流戦の)24試合を単純に6人で4試合ずつという考え方もあるけど…。いい投手から投げさせているよね。そういうのを参考にしてやっていきたい」

 これまでの交流戦、優勝したのはすべてパ・リーグ球団。特に24試合制になった07年以降のデータがモデルケースになる。昨季優勝のソフトバンクは6投手が先発したが、6人目の岩崎は1試合だけ。和田、ホールトン、杉内らを集中的に先発させた。07年日本ハムや10年オリックスはきっちり5投手だけで転戦。「勝てる投手」を積極的に投げさせるのが、交流戦を勝ち抜く鉄則だったのだ。

 1年前の交流戦で8位だった阪神は、7投手が先発した。9位だった09年も7人、07、08年には8人が先発マウンドを踏んでいる。優勝チームと比較して先発の多さが浮き彫りになる。

 和田体制となった今年は先発陣が安定し、開幕ローテーションの6人体制を維持している。最長でも4連戦の交流戦に入れば、「藪の法則」に従いつつ、当初は先発枠を4、5人に減らす方針だ。気になる人選に藪コーチは「現状の状態がどうかということ」と話す。過去の実績だけでなく、ここまでの投球内容も判断材料になりそうだ。

 勝負の交流戦まで最後のカードになる今日11日からのDeNA3連戦も、交流戦先発枠を巡る争いの場となる。能見、岩田、メッセンジャーの3本柱に、リフレッシュのため登録抹消中の安藤や久保も控える。スタンリッジも加えた実力者6人がそろい、最善のラインアップを見極める。データと理論に基づいた「藪の法則」が、セ界初の交流戦Vと初夏の快進撃を運んでくる。【酒井俊作】