太く長く、藤浪シーズンの幕が開ける。阪神ドラフト1位の藤浪晋太郎投手(18=大阪桐蔭)が27日、公示された開幕1軍登録メンバーに入った。阪神の高卒新人が開幕1軍スタートするのは史上初。快挙にも、開幕3戦目先発が決まっている大物は冷静にシーズンを見据えた。

 「入れてもらった以上、高卒とかは関係ない。高卒だから仕方ないというのはない。せっかく入れていただいたので年間通してしっかり投げたい」

 シーズンでの起用で、新プランが明らかになった。中西投手コーチが「イニングについての制限は設ける」と明言した。年間を通しての投球回数に上限を定める方針で、米大リーグでは10年に右肘手術を受けたストラスバーグ(ナショナルズ)の例がある。12年シーズンは160回を上限として臨み、シーズン途中の9月時点で15勝を挙げながらも、登板をやめたことで話題になった。藤浪の場合は規定投球回の144回程度をめどに、1試合のイニング数や試合数を減らして調整する見込みだ。

 登板間の調整法にもメスが入った。これまで、登板の中6日で3度ブルペンに入っていたが2度に減らす。前日83球と投げすぎて6回につかまった24日オリックス戦を踏まえての変更。これにも、開幕直前にかかわらず「まだルーティンとして確立していたわけではない」と涼しい顔だ。

 練習後はチームとともに東京入りした。新大阪駅では偶然、大阪桐蔭の盟友で立教大に進んだ沢田圭佑投手に再会。つかの間の会話で英気を養い、いよいよ「藤浪イヤー」に向け出陣した。【山本大地】

 ◆藤浪の調整

 中6日の先発投手は一般的に登板間に1度か2度、ブルペン投球する。藤浪はここまで3回の中6日調整でいずれも3度ブルペン入りした。日曜日登板とすると、水曜と木曜に投げ、登板1日前の土曜日に投げていた。24日オリックス戦では前日に異例の83球を投げ込んだ。プロの先発投手では前日ノースローか多くても40球程度。前日の多投のためか、試合は中盤6回につかまり中西投手コーチから「前日に投げすぎだな。変えようと話した」と注意された。