<西武2-7DeNA>◇15日◇西武ドーム

 底抜けに明るい。DeNAナイジャー・モーガン外野手(32)は逆転3ランを含む初の3安打、初のお立ち台でもハイテンションのキャラを全開した。「あーりがと、ございました」と日本語で切り出す。「2カ月活躍できなかったけど待っててくれてありがとう」とマジメに答えた後は、スタンドにキスのポーズ。そして「アバヨ!」で締めた。

 中畑監督の起用がズバリ的中した。「3番で使う。自分の力で勝ち取った3番だ」と大きな期待を寄せて送り出した。「結果として実証したね」と満足そう。不振でベンチに下げてもナインを応援し続ける姿に感心していたことがある。「フォア・ザ・チームのかがみ。どんどん好きになっちゃう。結婚しようかな」と。

 スタメンに復帰してからの5試合で毎試合安打を放ち、モーガンにとってはようやく取り戻した打順だった。2-3で迎えた3回1死一、二塁から牧田のチェンジアップをうまく右翼席へ運んだ。生還するとベンチ前でグラウンドでの別人格名「トニー・プラッシュ」のTサインを両手で作り、ナインと「Tタッチ」。大はしゃぎだった。

 開幕当初は3番も打率1割台に低迷。4月下旬からの10日間は2軍にも落ちた。でも落ち込まない。「アップダウンはある。日本の投手のタイミングをつかむには時間が必要。6月からは大丈夫」と言い聞かせてきた。その6月だ。大リーグでもスロースターターだった。6月にエンジンがかかり7月から開花する。「日本でも同じになったね」。再開するペナントでは浮上のカギを握りそうだ。【矢後洋一】