<日本ハム6-5オリックス>◇10日◇札幌ドーム

 やっと貢献できた。日本ハム西川遥輝内野手(21)は、少しだけ喜びをかみしめていた。8回に決勝の2号ソロ。「大きい1点になったことが、自分でもホッとしています」。打撃不調でも起用し続けてくれた首脳陣に応えたかった。本拠地での初アーチが、チームの連敗を止め、最下位転落の危機を救った。

 二塁に定着していた6月に左膝を故障した。約2カ月間、チームを離れた間に中島に定位置を奪われた。8月下旬に復帰後は、本職ではない一塁で出場する。「思っていたより、難しいです」。ミスが失点に直結したこともあったが、この日は4回に右翼へ抜けそうな打球を横っ跳びで好捕しアウトに。守備でも好プレーで沸かせた。

 昨季限りで現役引退した小久保裕紀氏の言葉が、今でも心に残る。ともに和歌山出身。同郷の先輩は言った。「智弁(和歌山)のやつは大成しないというジンクスがあるけど、お前は大成するから頑張れ」。昨季のCS。小久保氏は札幌ドームで現役を終えた。試合後に札幌市内で両チームの選手が集い、労をねぎらう食事会が開かれた。西川も二岡らに誘われ同席。その場で直接掛けられたハッパを胸に戦っている。

 栗山監督も西川に期待する1人。「大きな能力もあるし、もっと期待している。変なものを吹っ切ってくれたらいいなと思う」。これからのチームを担う、若手有望株の活躍がチームに大きな1勝をもたらした。【木下大輔】