西武の鈴木葉留彦本部長(62)が7日、所沢市内の球団事務所で会見し、FA移籍した片岡の人的補償として巨人から脇谷を指名し、合意したと発表した。背番号は脇谷が7に決まった。近日中に行われる入団会見で正式発表する。脇谷について「左打者が少し手薄で守備もユーティリティーにこなせる。打撃も勝負強い。」と期待を込めた。

 脇谷はこの日、東京・大手町の球団事務所を訪れ正式に通達を受け、関係者にあいさつを行った。「8年間お世話になって、急だったので寂しいです。でも決まったからには心機一転、西武で頑張ります」と率直な感想を述べた。

 直球への強さがチーム屈指で、ビッグゲームで何度も実力を発揮した。09年のCSで、中日吉見の150キロを逆転三塁打。巨人は一気に日本一へ上り詰めた。07年も、中日との天王山で朝倉のインローを逆転2ラン。リーグ優勝に導いた。当時のヘッドコーチだった西武伊原監督に認められ、再び、ともに戦うことになった。「常勝軍団のイメージで好きな球団です。ユニホームを着ることができてうれしいです」と話した。

 原監督への恩を隠さなかった。「僕は、原監督しか知らない。たくさんチャンスをもらったのに、申し訳ない気持ちです。監督はじめ、コーチ、裏方さん、みんなに感謝しています」としんみり言った。「3月18日に、西武ドームで巨人とのオープン戦がある。1軍に残って、みなさんにあいさつできるように」と当面の目標を定めた。【宮下敬至】