来季から背番号3となる中日高橋周平内野手(20)が大先輩の太鼓判をもらった。2日、ともに幼稚園を訪問した和田一浩外野手(42)から、ミスタードラゴンズの代名詞を背負える素材と認められた。高橋周は謙遜しながらも背番号に恥じないプレーを約束。レギュラー取りへ森野、ルナという高い壁に挑戦する決意をあらためて誓った。

 11月22日、契約更改の席で高橋周は落合GMから背番号変更を伝えられた。昨年託された「9」も重かったが、「3」は別格の重みがあった。「言われたときはマジかと思いました。正直、気が引き締まりました」。

 立浪が09年まで22年間背負った栄光の背番号。ミスタードラゴンズの候補生という特別な期待を受けることになった。“前任”の吉川は入団時から与えられたが、4年間で芽を出せず今年戦力外通告を受け、巨人に移籍した。高橋周も今後、有形無形の重圧に襲われるのは間違いない。

 だがこれまで近くで見てきた大先輩は「心配無用」の太鼓判を押した。通算2000安打まで15本と迫る和田だ。

 「3番というのは立浪さんもそうだし長嶋さんもそうだった。球界でも特別な番号。プレッシャーもかかると思うけど、彼は能力を持っている。大成する性格だと思う。そういう雰囲気がある。どんなにすごい成績を残しても、まだまだと思うタイプ。ちょっとずつ階段を上がっているけど、何段飛ばしかでレベルを上げていければね」

 伝え聞いた高橋周は「そう言っていただけてうれしいですけど、僕なんかまだまだです。すべては自分次第です」と引き締めた。

 秋季練習、キャンプではノックの嵐を受けた。1日平均500本程度。連日の谷繁兼任監督による三塁特守が終わるのはいつも最後。弱音は一切吐かず、足腰をフラつかせながらも「監督、イージー!」と笑わせ、コーチやナイン、観客の視線を独り占めした。和田が言うように雰囲気もあり、努力できる才能も確かにある。

 今季は61試合で6本塁打、打率2割5分7厘。三塁にはベストナインのルナ、そしてチーム最多打点の森野が立ちはだかる。「とにかく試合に出たい」。ミスタードラゴンズへの道は、泥水を飲む覚悟で始まる。【柏原誠】