労組日本プロ野球選手会(会長=楽天嶋基宏)は4日、大阪市内のホテルで定期大会を開き、海外フリーエージェント(FA)権の取得年数を国内FAと同じ年数に短縮することを求める方針を確認した。現在、海外FAは取得まで9年、国内FAは8年(07年のドラフト入団以降は7年)が必要。今オフ、オリックスからFA宣言した金子千尋投手(31)の移籍を巡って制度の不備が浮き彫りになったこともあり、嶋会長は「金子投手のこともあったし、年数の違いを少しでも縮められるようにしたい」と話した。

 本来、国内FAは海外に興味のない選手のために1年早く権利を与える限定的な規約であったはず。ポスティングとの併用はルールの形骸化につながり、道義的問題を問う声も少なくない。金子がポスティングシステムによる大リーグ移籍も視野に入れて国内FA権を行使したのを機に議論を呼んだ。

 そんな中、選手会はFA制度そのものに疑問を投げかけた。嶋会長は「そもそも(国内と海外で)年数が違うのが問題。同じ年数であればいい。そうすれば金子投手が悪者みたいにならない」と訴えた。国内FAは球団側が希望した制度であり、当初から選手会は導入に反対する立場だった。松原事務局長も「MLBから見てもおかしいルールだろうと思う。議論の余地はある」と話した。今後、海外FA短縮とともに国内FA廃止を求める話し合いを本格化させる。