巨人原辰徳監督(56)が13日、広島に復帰する黒田との「野武士対決」を心待ちにした。客員教授を務める千葉・勝浦市の国際武道大で「スポーツ戦略論2」の1コマ講義を実施。学生を前に「黒田君がカープに復帰する。日本の教育、武士道から始まって『野球』が根付いた状態で戦っていた。球界はもちろんカープ全体も、かなり平熱が上がる。いい沸騰状態で臨んでくる。要注意、強敵です」と決断に敬意を表しつつ、ボルテージを上げた。

 堂々と勝つ。「打順は1番から9番までジグザグが理想。4番の右打者は今、少ない。大田に、もう1回、期待したい」と、若侍を中心とした左右の刀が剛腕を切り裂く姿を描いた。選手には荒ぶる心も求めた。質問した学生に「いい目をしてる」と言い「前向きな選手は使ってみたくなる。ベンチで『オレの出番だ』と、カッと自分をにらみつける。大事だ」と説いた。

 大将はどしっと構える。「他動的」という表現を用い「人生、自分で動かしているという考えでは上にいけない。環境を与えられ、生かされ、表現する場所ができている。いざとなったら勝負の鬼になって戦えばいい」と力んだ。兵を信じ、操り、世界を渡り歩いた武者を倒す。【宮下敬至】