うちの周平、大売り出し中~!

 中日の沖縄・北谷キャンプを4日、侍ジャパン小久保裕紀監督(43)が視察。ちょうど高橋周平内野手(21)の打撃投手を務めていた谷繁元信兼任監督(44)が同監督に将来の代表入りをアピールした。2人の指揮官が求めたのは、2017年WBCでの代表入り。中日キャンプは1、2軍とも第1クールが終了した。

 高橋周は何とも「持ってる」男だ。午後2時40分。メーン球場に足を踏み入れた小久保監督が最初に目にした光景は、投手谷繁&打者高橋周というレアすぎる居残り特打だった。小久保監督の姿を見つけた谷繁兼任監督はすかさず、大品評会を宣言した。

 「周平!

 呼んでもらえるようにアピールしないとな!」。続けて小久保監督に向かって「周平を呼んでもらえるようにアピールするわ!」と声をかけた。116球を投げ、高橋周が振ったのは102回。そのほとんどを小久保監督に披露できた。抜群の制球力でサポートした。

 終了後、両監督の話題は17年WBCにおよんだ。「2年後くらいに代表になってほしいね」と確認し合った。小久保監督も、その素質を認めている。「周平は確実に去年よりよくなっている。立浪(和義)さんみたいな打者。投手の右左関係なく、率も残せる。能力が高い。早めに花開いてほしいね」と話した。

 指揮官の親心だった。打撃練習でのやりとりについて「冗談ではないよ。本気だよ。うちのチームから2人でも3人でも呼んでもらえるような選手を作りたい。小久保監督にも招集かかるような選手を今年1年で作ります、という話をした」と真顔で語った。

 第1クール最終日。連日、早朝特守から居残り特打をこなしてきた高橋周は、実は疲れていた。46発とぶっ放した初日のようなアーチ量産は見せられなかったが、貴重な時間だったのは間違いない。今はレギュラーどりに頭がいっぱい。代表について聞かれると静かにうなずいた。

 小久保監督は大島、大野、又吉、福谷ら代表候補への期待も語った。若手中心になりそうな3月の強化試合(対欧州代表)や、11月には強豪国が集うプレミア12(仮称)が開催される。谷繁監督にとって、代表選手育成もチーム強化へ大事なミッションになる。【柏原誠】