巨人のドラフト1位、沢村拓一投手(22=中大)が4日、東京・八王子市の中大グラウンドで始動した。午前8時過ぎから約2時間半の自主トレを公開し、ランニングや筋力トレーニングで汗を流した。「やっと始まるという感じ。不安は一切ない」と言い放ち、日本ハム斎藤佑樹、西武大石達也ら同期生については「意識することはない」。背番号15の即戦力右腕は、堂々とした態度で1年目の幕を開けた。

 体も心もどっしりとしていた。巨人のドラフト1位沢村が、快晴の青空の下で走りだした。約2時間半汗を流し、集中力を研ぎ澄ましたようなまなざしで、「やっと始まるという感じ。不安は一切ないです。一番期待しているのは自分自身。自分のやるべきことをやるだけです」。堂々と宣言した。

 あこがれの巨人から指名を受け、涙を流したドラフトから68日。背番号「15」を渡された即戦力は、「ドラフトが終わってからは体をつくってきた。プロで1年間戦える体をつくらないといけない。とにかく先を見ずに1歩1歩やるだけ」と、体づくりを進めてきた。大みそかまで走り込みやウエートトレーニングを続け、体重は2キロ増加。元日から3日にかけては栃木の実家に帰省した。この日は、11年の初練習にもかかわらず、185キロのバーベルを担いでスクワットを繰り返すなど自らを追い込んだ。室内のウエート場に「ウオー」と気合の叫び声が響くなど、迫力満点だった。

 プロの同期には日本ハム斎藤、西武大石、広島福井ら即戦力の好投手がそろっている。だが、「同世代を意識することはない。僕はジャイアンツの一員なので、チームに貢献するだけです」ときっぱり。「3日も休むと体が落ち着かない。ルーキーに休んでる暇はないので。勝ちたいんで本気出してやります」と力を込めた。

 前日3日には、中大の先輩でもある巨人阿部が、毎年恒例の書き初めで、日本一になって喜びたいという意味を込めて「喜」とつづった。その阿部のミットを目がけて投げることになる沢村の決意の一文字は「進」。「歩みを止めたくない」と、着実に力をつけることを誓った。8日からは巨人の新人合同自主トレが始まる。堂々とかつ謙虚に、巨人沢村がプロの第1歩を踏みだした。【斎藤庸裕】