今秋のドラフト候補で野手NO・1の呼び声高い、慶大主将の伊藤隼太外野手(3年=中京大中京)が、リーグ戦の3冠王奪取を宣言した。8日、横浜市内の同大グラウンドで行われた「湘南藤沢キャンパス20周年記念スポーツキャンパス」の野球教室に参加。「目標は3冠王。今年は全部取る」と、打率4割、4本塁打、15打点を最低ラインに掲げた。

 東京6大学で、記録に残る戦後の3冠王は12人。慶大に限れば、高橋由伸(巨人)以来6人目の快挙を目指す。高橋と比較される伊藤は「レベルが全然違う。あこがれでしかない」と謙遜する。だが昨秋のアジア大会日本代表に、学生から唯一選ばれたスラッガー。偉大な先輩に肩を並べることは、必然的な目標だ。

 3冠王奪取の先に、見据えるものがある。大学選手権での、東海大・菅野智之投手(3年)との対戦だ。昨春の同大会準決勝では4打数無安打、1三振と封じられた。「同じ土俵に立ったら(菅野を打つ)気持ちも乗ってくる。でもまず、そこに出ないと。打点が10台後半になれば(リーグ優勝に)貢献できるでしょう」と、自らのバットで再戦の舞台を整える。【清水智彦】