<プロ野球ドラフト会議>◇24日

 阪神は2位で鹿児島実の横田慎太郎外野手(3年)を指名した。父真之さん(50)も元プロ野球選手で、ロッテなどで俊足巧打の外野手として活躍した。

 父の真之さんは、仕事を終えて駆けつけた。「(一報は)近所の鉄板焼き店からの電話でした。びっくりしました。指名されても下位と思ってたんで」。自身はロッテから4位指名。「負けましたね」。うれしそうに笑った。

 実は「阪神ファン」を明かした。生まれ、育ちは高知。幼少のころ、阪神の安芸キャンプを見学に訪れ、野球教室で藤田平氏の指導を受けたことが、プロ野球選手を目指す原点になったという。あこがれたタテジマを息子が着る。「うーん、どうなんですかね。ロッテも最近は(ユニホームが)タテジマじゃないですか」と照れ笑いした。

 プロ野球選手の喜びも厳しさも味わってきた。それだけに「今日からが本当の勝負」と何度も繰り返す。「足の速さが武器。(ソフトバンク)秋山監督のような選手になってほしい」とエールを送った。

 ◆親子指名

 父に続いてドラフト指名され、阪神に入団した選手は過去2人。00年2位の伊達昌司投手(プリンスホテル)の父は、72年ロッテ1位の伊達泰司外野手(法大)。02年8巡目の田村領平投手(市和歌山商)の父は、75年大洋1位の田村政雄投手(中大)。なお97年4位の坪井智哉外野手(東芝)は、69年ドラフト外で中日入りした坪井新三郎内野手(富士鉄名古屋)に続いてのプロ入りだった。

 ◆横田真之(よこた・まさし)1962年(昭37)11月26日、高知県生まれ。明徳(現・明徳義塾)-駒大を経て、84年ドラフト4位でロッテ入り。1年目から外野の定位置を獲得し、85年(3割)、翌86年(3割4厘)と新人年から2年連続3割以上。これは長嶋茂雄(巨人)に続きプロ野球史上2人目の快挙だった。この2年間ベストナインを獲得。87年にはパ5位の26盗塁と、リーグを代表する好選手に成長。中日、西武でもプレーし95年引退。現役時代は173センチ、78キロ。右投げ左打ち。