竜のドラ1、鈴木を「世界のスズキ」がバックアップ-。中日のドラフト1位、聖隷クリストファー・鈴木翔太投手(18)に早くも超VIPな“応援団”が現れた。16日、静岡・浜松市内のホテルで契約金8000万円、年俸720万円(金額は推定)で仮契約を結んだ。会見後、スーツ姿で会場を出ると何と自動車大手スズキ(本社・浜松市)の鈴木修会長(83)とばったり。球団関係者を通じて会話し、固い握手で激励された。

 財界の超大物は中日ファンで、かつて球団の地元後援会会長も務めていた。同姓のよしみからか「後援会をつくるか?」とバックアップに大乗り気。「2~3年間はしっかり体作りをすること、コーチはあまりいじっちゃいかん」と育成法に注文も出した。

 球団側の期待も大きい。背番号も今季まで伊藤が背負った18が濃厚だ。歴史的に中日のエース番号は20だが、18もそれに匹敵する球界のエースナンバー。期待のほどが分かる。大安吉日にサインした金の卵は「プロ野球選手になるんだという自覚が持てました。1日も早く1軍で投げられるように」と決意を口にした。

 現在は後輩たちと練習し、ブルペン投球も行っている。指名後は毎朝、自宅から学校まで約12キロの道のりを下半身強化のためランニングで登校中。夏までは自転車通学だったが、プロ仕様のボディーを作り上げるため早朝6時に家を出る生活だ。超VIPと偶然出会って味方につけた“持ってる男”。金の卵は「将来は新人王をとりたい」と意気込んだ。【八反誠】

 ◆鈴木翔太(すずき・しょうた)1995年(平7)6月16日、静岡・浜松市生まれ。北浜東部中時代は硬式の浜松シニア。聖隷クリストファーでは1年夏から公式戦に登板し、2年夏には同校初の静岡大会4強入り。甲子園出場経験なし。勝負めしは地元名産うなぎ。183センチ、74キロ。右投げ右打ち。