【テンピ(米アリゾナ州)9日(日本時間10日)=四竈衛】

連覇を目指すWBC米国代表が、強化試合最終戦でエンゼルスに6-0で完勝し、本番までの最終調整を終えた。5番ノーラン・アレナド内野手(31=カージナルス)のグランドスラムなどで得点を重ね、投げては投手陣が完封リレー。11日(同12日)の英国戦から始まる1次ラウンド(フェニックス)へ向け、ほぼ万全の状態に仕上がった。

初の代表としての戦いを前に、主将を務めるマイク・トラウト外野手(31=エンゼルス)はいつも以上に真剣な表情で言った。17年の前回大会は、コンディションを考慮して辞退した。だが、世界一の瞬間、歓喜に沸く選手たちの姿を見て後悔した。「(当時)テレビで見ていたが、この場所に出てみたいと思ったし、彼らにとってどれだけ楽しい経験だったことか。USAを胸につけることは、僕にとっても家族にとってもスペシャルなこと。すばらしい仲間と一緒にプレーすることを、とても楽しみにしているんだ」。

エ軍の同僚大谷は、同地時間午前3時開始の初戦で、ひと足先に好スタートを切った。「朝起きるまで、昨夜(大谷が)試合をしていたのは知らなかったよ」と笑う一方で、大谷の活躍ぶりは伝え聞いていた。「彼のためにも良かった。筋書き通りだろうし、彼らはとてもいいチーム。これからどうなるかだね」。

日米両国が順当に勝ち進めば、対決が実現するのは準決勝。実戦準備を終えたデローサ監督は「この2試合で全員が健康だったし、貢献していた。我々のやり方は好ましいよ」と、静かな口調で抱負を口にした。