侍ジャパンの中野拓夢内野手(26=阪神)が韓国戦に緊急出場し、遊撃源田の代役をきっちり果たした。日本の最大のライバル相手に走攻守で「らしさ」を存分に発揮。大勝での準々決勝進出王手に大貢献した。

3回裏、遊撃スタメンの源田が二塁けん制で帰塁した際に右手を負傷して交代。「(源田から)ごめんとは言われたんですけど、やるだけだと」。急きょ背番号7にお呼びがかかり、4回表の守備から遊撃に就いた。2死から遊ゴロが飛んでくると軽快に処理。「普通に優しいゴロが来たので。そこで足を使って自分のプレーができたので、その後は緊張もほぐれました」。チームの痛いアクシデントにも、落ち着いたプレーでチームをもり立てた。

攻撃でも結果を残した。2点差に迫られた直後の6回先頭の第2打席。斗山でセットアッパーを務める4番手右腕、鄭哲元(チョン・チョルウォン=23)の146キロ直球を弾丸ライナーで右翼線にはじき返した。ボールがフェンス際を転がる中、「足がなかなか進んでなくて、興奮しながら走った」と無我夢中で三塁へ。ベース上でも大流行中のペッパーミル・パフォーマンスで盛り上げ、一挙5得点の猛攻を導くWBC初安打になった。7回先頭でも左前に運ぶマルチ安打でダメ押しの2点を呼び、バットでも代役を務め上げた。

宮崎での強化合宿中は“源田塾”に志願の弟子入り。右足が内側に入って体が流れがちな捕球体勢を改善すべく、タメを作れる「ガニ股」を教わった。試合を締めくくる遊ゴロもきっちり処理。日本が誇る「鉄壁の遊撃」を守り抜いた。

負傷の源田が戦列を離れる可能性が高まり、11日のチェコ戦は中野の初スタメンが有力になった。「緊張して喉がカラカラ状態でした。シーズン中では味わえない緊張感を味わえている。今後も楽しみながらやりたい」。前日9日の中国戦では、阪神同僚の湯浅が1回3者連続三振のパーフェクト投球で初戦快勝に貢献。タテジマ代表コンビが、世界の舞台で大仕事を果たす。【波部俊之介】

侍ジャパン、韓国に13得点大勝!最短11日に準々決勝進出可能性/ライブ詳細