22日に初防衛戦(両国国技館)を控えるボクシングWBC世界フライ級王者・比嘉大吾(22=白井・具志堅スポーツ)の師匠、具志堅用高会長(62)がフランスパン持参で挑戦者を偵察した。16日、東京・新宿区の帝拳ジムで行われた同級5位トマ・マソン(フランス)の公開練習に姿を見せた。練習前の会見で、挑戦者が体重のリミット(50・8キロ)まで残り500グラムと順調な調整ぶりを強調すると、かばんから長い紙袋を取り出し「フランスよりもおいしいフランスパンです。食べてください」と異例のプレゼント攻撃で、プレッシャーをかけた。

 このフランスパンは、具志堅会長の自宅近くのスーパーに入っている「麻布十番モンタボー東京杉並店」の商品。会長一家が日常的に買っているといい、1本302円(税込み)。公式HPでは「日本人に食べやすい食感」と紹介されている。マソンから「必ず食べます。あとフランスではチーズとワインも必要」と軽快な“カウンター攻撃”を受けると「オッケーです。(明日18日の)調印式の時に」と応戦。鮮やかな“ジャブの応酬”もみせた。

 身長161センチの比嘉に対し、170センチのマソンは減量苦が予想される。具志堅会長は「まだ(500グラム以上の)減量があるはず」と鋭い目つきで分析。世界王座13回連続防衛の日本記録を持つ同会長を「日本一有名なボクサーだと知っています」とリスペクトするマソンとの記念撮影にも応じ余裕の援護射撃を成功させた。【藤中栄二】