プロボクシングWBC世界フライ級王者比嘉大吾(22=白井・具志堅スポーツ)が具志堅用高会長(62)から因縁のアイスを託され、師匠のリベンジに燃えた。今日4日、故郷での2度目の防衛戦(沖縄県立武道館)に備え、3日に那覇市内で、同級9位の元2階級制覇王者モイセス・フエンテス(30=メキシコ)と計量に臨んで一発クリア。計量後、同会長に贈られた沖縄名物ブルーシールの紅いもアイスを食べ、減量で疲労した肉体を回復させた。

 沖縄での世界戦は81年3月、具志堅会長が14度目の防衛戦で敗れて以来、37年ぶり。当時、計量後に大好きなアイスを食べられなかったことを敗因に挙げる“具志堅伝説”を知る比嘉は「会長が食べられなくて負けた理由が分かります。最高です。敵討ちで食べました」と笑顔。具志堅会長も「37年前のアイスが昨日のことのように思われます。あの時、アイスを食べていたら20回は防衛できていますから」と思いを託した。

 試合当日、沖縄出身の歴代世界王者6人中、渡嘉敷勝男氏を除く5人が来場予定だ。元WBC世界スーパーライト級王者浜田剛史らの持つ15連続KO勝利に並ぶ大事なV2戦。比嘉は37年分の師匠の思いを胸に沖縄の血をたぎらせてリングに立つ。【藤中栄二】