日本プロレス界の勢力図が大きく変わった。

旗揚げから20年目を迎えるプロレスリング・ノアが29日、IT大手サイバーエージェントグループ入りを発表した。2年前に同グループ入りしたDDTの高木三四郎社長(50)がノアの新社長も兼任。都内で行われた会見で、高木新社長は「目指していかないと面白くない」と、業界トップを独走する新日本プロレスの打倒を目標に掲げた。

ノアは00年に故三沢光晴さんが旗揚げ。かつては東京ドームや日本武道館興行を行うなど人気を誇っていたが、近年は厳しい経営が続いていた。

19年6月から社長を務めた武田有弘氏が19年末に高木氏に相談。高木氏がサイバーエージェント藤田晋社長に話を通し、今回の買収に至った。

藤田氏は買収理由に、プロレスのコンテンツとしての可能性、魅力の違うDDTとの補完関係、高木社長の経営手腕への期待などを挙げた。その上で「できる限りのバックアップをしていく」と約束した。

現段階でDDTとの統合はなく、協力しながら規模拡大を目指す。高木新社長は経営に専念する。現場はノアの所属選手でもある丸藤正道新副社長(40)らが担う。

丸藤は「リング上の戦いは何も変わらない。むしろ激しくなっていくと思う」と意気込みを語った。

国内外への動画配信に力を入れる予定で、早速30日のノア後楽園大会が、DDTの会員制動画サービス「DDTユニバース」で世界に無料配信される。

【高場泉穂】

 

◆GHCヘビー級王者潮崎豪 20年はノアの戦いを進化、発展させていくために王者として世界に発信していきたい。

◆前GHCヘビー級王者清宮海斗 リングに対する探求心、追求心を同じように持ち続けサイバーエージェント様とともに、より広大な新しい景色を見せたい。