久しぶりのベルト獲得はならなかった。NEVER無差別級6人タッグ選手権で、挑戦者の永田裕志(53)、小島聡(50)、天山広吉(50)組は、王者YOSHI-HASHI(39)、石井智宏(45)、後藤洋央紀(42)組に敗れた。

試合後、前哨戦からリング内外でバトルを繰り広げてきた石井が歩み寄って声をかけ、手を差し出した。これまでの「腰抜け」や「最後の思い出作りにしてやる」などの発言に怒りをあらわにしていた永田は、一瞬ためらったものの、ガッチリ握手。天山、小島も手を差し出し、会場からは3人の健闘に大きな拍手が沸き起こった。永田は「あの石井が先頭切ってきたのが信じられない。俺たちの戦いが、やつらの気持ちを動かした」と語った。

前日は、天山とYOSHI-HASHI、小島と後藤、永田と石井がそれぞれシングル3番勝負を戦った。合わせて153歳、キャリア89年の3人だが、疲れも見せず、この日も開始からエンジン全開。天山は真モンゴリアンチョップと石頭の頭突きを連発、小島はマシンガン逆水平を豪快に決め、永田はナガタロック3で石井を絞め上げた。中盤にはIWGPタッグ6度戴冠のテンコジで豪快な合体技も披露。得意技を次々と王者にぶつけたが、最後は小島が後藤に捕まり3カウント。小島は「すごく濃密な時間を過ごせた」と前哨戦を含めた数日間の激闘を振り返った。天山は「最後俺たちがセーブできなかった」と助けに入れなかったことを悔やみ、永田も「申し訳ない。でも胸張っていいと思う」と仲間をたたえた。

敗れはしたが、次なる戦いに向け、前を向く3人。天山は「もう1回明日からスクワット3000回やってもっと鍛え直す」。永田は「新日本のマットで戦ってきた意地を分かってもらえたと思う。辞めろと言われても絶対あいつらに言われて辞めることは100%ない」。小島も「俺たち第3世代はいろんな人に生かされていることを感じた」と語った。

「棺おけに足を突っ込んでいるわけじゃない。俺らの戦いはまだまだ続く。年齢なんてクソくらえだ」(永田)。「もっともっと組んでまたチャレンジしよう。こんなんで終わりちゃう」(天山)。戦いを終え、さらに結束力を強めた第3世代。簡単にリングを去るつもりはない。【松熊洋介】