ボクシングWBA世界ミドル級スーパー王者村田諒太(35=帝拳)が12月29日にさいたまスーパーアリーナで、IBF世界同級王者ゲンナジー・ゴロフキン(39=カザフスタン)との2団体王座統一戦に臨むことが確実となった。27日(日本時間28日)に同カードの日程、会場が合意に達したと米スポーツ専門局ESPNが報道し、日刊スポーツの取材で最終調整中であることが同日、分かった。関係者によると会場は調整中で、来月上旬にも正式発表される予定だ。

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12年ロンドン五輪で金メダルを獲得し、日本人初となるアマとプロで世界の頂点に立った村田にとって、待望のビッグマッチが決定間近だ。元3団体統一王者で現在もIBF王座を保持する世界的スターとの王座統一戦が12月29日、さいたまスーパーアリーナで行うことで両陣営が合意したとESPNが報道。関係者によると会場は最終調整ながらも、開催確実になっていることが判明。来月上旬にも発表される予定だ。

同会場に決まれば19年11月、ワールド・ボクシング・スーパーシリーズのバンタム級決勝の井上尚弥-ノニト・ドネア戦以来のボクシング興行となる。当初、村田-ゴロフキン戦は12月28日に兵庫・神戸市内での開催を進めていた。しかし新型コロナウイルスの影響下での移動距離の問題、ゴロフキン陣営の来日後の隔離対応、さらには神戸で確保した試合会場の事前視察の結果、首都圏開催に方向転換。関係者によれば、このほど12月29日の会場確保のめどが立ったという。

正式決定すれば村田にとって19年12月、スティーブン・バトラー(カナダ)との初防衛戦以来、約2年ぶりのリング。今年1月にWBAスーパー王者に昇格後初試合となる。28日、所属ジム公式サイトを通じて村田は「ESPNでもゴロフキン戦の報道が出ていましたね。個人的に言えることはないのですが、このまま報道通りに進んでいってほしいという気持ちです」と心境を吐露。現在はレスリング練習や3部トレも導入し、調整を続けている。

一方、20年12月以来、リングから遠ざかるゴロフキンはGGGの愛称を持つ世界的スター。3団体統一王者時代にWBA19度、WBC8度、IBF4度の防衛に成功し、黒星は18年8月、現3団体統一スーパーミドル級王者サウル・アルバレス(メキシコ)に負けた1敗のみ。いまだKO負けもない。昨年12月、カミル・シェルメタ(ポーランド)を7回終了TKO勝ちするなど強打は健在で、ミドル級最強の対抗王者。世界注目のビッグマッチの決定が迫っている。

◆さいたまスーパーアリーナ開催の主な世界戦

01年7月 WBA世界ライト級王者畑山隆則が元王者ロルシー(フランス)と防衛戦に臨み、判定負けで王座陥落。

09年11月 亀田興毅がWBC世界フライ級王者内藤大助に挑み、判定勝ちで世界2階級制覇に成功。

10年12月 亀田興毅が元王者ムニョス(ベネズエラ)を判定で撃破し、WBA世界バンタム級王座を獲得。日本人初の世界3階級制覇を達成。同興行で次弟大毅もWBA世界フライ級王座を防衛。

19年11月 WBSSバンタム級決勝で井上尚弥がドネア(フィリピン)に判定勝利し優勝。同日に弟拓真はWBC世界バンタム級暫定王者として正規王者ウバーリ(フランス)との王座統一戦で判定負け。