WBO世界フライ級王者中谷潤人(24=M.T)が2度目の防衛に成功した。同級2位の山内涼太(27=角海老宝石)と対戦。8回2分20秒TKO勝利でベルトを死守した。中谷はデビュー23連勝となった。

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試合が決まった会見で「この歴史的な舞台で(力を)発揮できるのを楽しみにしています。ベストパフォーマンスを更新し、必ず勝利したいと思います」と村田-ゴロフキンが行われるリングでの試合に奮い立っていた。

昨年末に予定されていた試合が延期となった。対戦相手はメキシコのゴンザレスから日本選手の山内に変更となった。しかし、中谷は「この延期の期間で成長することができました。成長した部分を4月9日に発揮したい」と自信を示していた。

着実に成長を続けている。昨年9月、初防衛戦は米国で、1位挑戦者アンヘル・アコスタ(プエルトリコ)との指名試合だった。厳しい戦いが予想されたが、中谷は終始圧倒して4回32秒TKO勝ちを飾った。フライ級では破格のパンチ力を世界に示した。

原点は小学3年から始めた極真空手。しかし、体格で上回る相手になかなか勝てず、中学1年からボクシングに“転向”。三重県桑名市のKOZOジムで基礎とパンチを磨いてきた。

16年度の全日本新人王戦では、のちの前WBC世界ライトフライ級王者の矢吹正道を撃破し、新人王を獲得した。日本王者と順調にステップを重ね、20年11月に世界をとった。雑草でありエリート。その力を大舞台でも見せつけた。

◆中谷潤人(なかたに・じゅんと)1998年(平10)1月2日、三重・東員町生まれ。幼少時代に空手を学び、中学1年から競技を開始。単身渡米し、ルディ・エルナンデス・トレーナーに指導を受けて修行を積みながらアマ14勝2敗。同年4月にプロデビューし、1回TKO勝ち。16年に全日本フライ級新人王、17年に日本同級ユース王座、19年2月に日本同級王座を獲得。20年11月、WBO世界フライ級王座を奪取。家族は両親と弟。身長171センチの左ボクサーファイター。