WBA世界ミドル級スーパー王者村田諒太(36=帝拳)が同級最強の「頂」に屈し、2団体の世界王座統一に失敗した。
世界的スターとなる元3団体統一同級王者で現IBF世界同級王者のゲンナジー・ゴロフキン(40=カザフスタン)に9回TKO負けを喫した。プロデビューから9年、17年の世界王座初奪取から5年、常に目標としてきた現役レジェンドから勝利できなかった。
◆WBA、IBF世界ミドル級王座統一戦
村田諒太 | ● | TKO | ○ | ゴロフキン |
◆ラウンドVTR◆
1R
村田は口とアゴにヒゲをたくわえた精悍(せいかん)な顔でリングに立った。一方、ゴロフキンはリラックスした笑顔でリングに登場した。開始ゴングがなると、両者ともガードをかためて左ジャブの打ち合いに。20秒すぎに村田の右ストレートがヒット。その後、左ボディーが決まると、ゴロフキンの動きが一瞬止まる。ゴロフキンもパンチを返すが村田も右ストレートを打ち返す。終盤、ゴロフキンのかたいジャブが入りはじめる。
【日刊採点】10-9(村田)
2R
ゴロフキンが開始から左ジャブを決める。30秒すぎに村田の右のクロスが決まり、ゴロフキンが後退。1分すぎから右ボディーブローがゴロフキンに決まる。ゴロフキンが後退。明らかにいやがっている。1分半すぎからゴロフキンも反撃するが、村田が再びボディーブローを決めてでゴロフキン後退。。村田が終盤もプレッシャー。ゴロフキンが下がる。
【日刊採点】10-9(村田)
3R
開始早々、ゴロフキンのコンビネーションを浴びて村田がグラつく。しかし、30秒すぎに村田が右ボディーブローを決めるとゴロフキンが再び後退。その後も村田がボディーにパンチを集めると、ゴロフキンは体をまるめて苦しい表情。後半も村田は徹底してボディーを狙ってパンチを集める。ゴロフキンは後退を続ける。
【日刊採点】10-9(村田)
4R
ゴロフキンの左フックのダブルが決まる。ゴロフキンは左ジャブで距離を取り始める。しかし、村田もひるまず右強打で応戦。1分すぎには左ボディーがきまり、ゴロフキンは後退。1分半すぎからゴロフキンの左フックが決まりはじめる。村はボディーブローで応戦。ゴロフキンも左のパンチが増える。残り1分、村田が右ストレートの連打で圧倒。ボディーブローも決まる。終盤はゴロフキンも連打で反撃し、激しい打撃戦に。
【日刊採点】10-9(村田)
5R
ゴロフキンいきなりラッシュ。右フック、左フックと強烈な連打を決める。村田も耐えて左右ボディブローを返す。ゴロフキンも動きがとまり、村田が左右パンチでボディーを執ように攻める。1分半すぎにゴロフキンが再び左右連打でラッシュ。村田もボディーで反撃。両者ゆずらず。
【日刊採点】10-9(ゴロフキン)
6R
40秒すぎにゴロフキンの右フックで村田のマウスピースが飛ぶ。ゴロフキンは左ジャブから左右フックを振り回して、村田は防戦一方に。1分半すぎに今度は村田が右ストレートを繰り出して反撃。ゴロフキンも右フックから連打。残り1分を切ってゴロフキンが左右連打で前に出る。村田は高いガードで耐える。終盤は村田が前に出て右連打を決める。激戦が続く。
【日刊採点】10-9(ゴロフキン)
7R
20秒すぎにゴロフキンのワンツーが決めるが、村田はかまわず前に出る。1分すぎに村田が右フックを決めれば、ゴロフキンも右フックを返す。その後、ゴロフキンが左右強打で村田をロープに詰めて連打。村田もワンツーからのボディーブローで前に。残り1分、ゴロフキンの左フックに村田はロープに後退。しかし、残り30秒、村田が右ストレートを決めて前に出る。
【日刊採点】10-9(ゴロフキン)
8R
開始からゴロフキンの左ジャブが決まる。1分すぎには左フックの連打からの右フックで、村田はロープに後退。その後も連打を浴びてロープにくぎ付けに。しかし、1分半すぎに右ストレートと右アッパーボディーで反撃。驚異的なタフネスを見せる。残り1分、再びゴロフキンが右ストレートの連発して村田を後退させる。村田も右で反撃も単発。
【日刊採点】10-9(ゴロフキン)
9R
開始からゴロフキンがラッシュ。村田はロープに後退。50秒、ゴロフキンの右フックを浴びて防戦一方に。それでも耐える村田に会場から村田コール。ゴロフキンが打ち続ける。村田は明らかにきいている様子。1分半すぎ、村田の右ストレートが決まり、今度はゴロフキンが後退。左右に連打が決まり、村田が攻めるが、村田が右フックを浴びてダウン。ほぼ同時に村田コーナーからタオルが投入される。村田が9回TKO負け。
◆連載 日本史上最大の決戦
【連載1】井上尚弥がエール「日本史上最大の勝利を」勝つには前半勝負
【連載2】“盟友”清水聡「きっと奇策を考えている」村田らしい試合を
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村田諒太とゴロフキンの比較
村田諒太とゴロフキンの歩み
村田諒太のプロ全戦績
村田諒太略歴
◆村田諒太(むらた・りょうた)1986年(昭61)1月12日、奈良市生まれ。伏見中1年で競技を始める。南京都高(現京都広学館高)で高校5冠。東洋大で04年全日本選手権ミドル級で優勝など。11年世界選手権銀メダル、12年ロンドン五輪で日本人48年ぶりの金メダルを獲得。13年8月にプロデビュー。17年10月、WBA世界ミドル級王座を獲得。日本人で初めて五輪金メダリストがプロ世界王者となる。家族は夫人と1男1女。183センチの右ボクサーファイター。