ボクシングWBO世界スーパーフライ級王者井岡一翔(33=志成)が体格差を生かし「ヘビ男」を攻略する。

13日に東京・大田区総合体育館で元世界4階級制覇王者で同級1位のドニー・ニエテス(40=フィリピン)との5度目防衛戦に臨む。11日には都内で予備検診。ニエテスより身長で4.2センチ、リーチも0.6センチ上回るなど体格的な優位性を示した。

18年大みそかの同級王座決定戦で1-2の判定負けを喫して以来、約3年7カ月ぶりの再戦。井岡は「前回も体格差で優位に立っていると感じなかったし、やりづらさを感じることもなかった」としたが、前回の開催地はマカオ。今回は地の利もあり、体格差も後押しとなるのは間違いない。

ニエテスは「スネークマン」の愛称を持つ。駆け出しの頃、オーナーが飼育するヘビの世話係だったことが由来。母国では試合時に大蛇を体に巻きつけて入場した経験もある。前回対決では井岡が巻きつかれるような接近戦を仕掛けられ、苦しめられた。井岡戦から3カ月後に王座返上し、その後は地域王座を懸けて2連勝中と、40歳ながら不気味な強さがある。

井岡は「時を経て再戦するのは何かの縁。運命としてもう1度戦う時がきた。どちらが本当の王者なのかを証明しないと」。リベンジで現王者の誇りをみせつける構えだ。【藤中栄二】

〇…挑戦者ニエテスは「スネークマン」の愛称通り、陣営でおそろいのヘビのイラスト入りポロシャツで予備検診に姿をみせた。「ヘビは私のラッキーなお守りみたいなものだ。ファンにもファイトがヘビのようだと言われたこともあった」と不敵な笑み。井岡よりも体格で劣るデータが出たものの「前回も同じく井岡選手の方が身長も高かった。何も問題はない」と涼しい顔だった。