薄氷の防衛だった。王者加納陸(25=大成)が同級15位の亀山大輝(26=ワタナベ)に1-1の判定ドローで初防衛に成功した。

序盤から激しい打ち合いとなり、4ラウンド(R)では右目が赤く腫れ上がった。サウスポーの加納にとっては「距離感が分からなかった」。

誤算もあった。約1カ月前に右肘の腱を負傷。丸元大成会長は「スパーリングができなかった」と明かしたが、加納は「誰でもあること。大丈夫です」と言い訳はしなかった。

それでも、走り込みで鍛えた下半身の強さで12Rを戦い抜き、「我慢の36分でした。亀山選手は気持ちを感じる素晴らしい選手だった」とたたえた。

WBO世界同級3位にランクする加納は、この試合の内容試合では16年8月に高山勝成と戦ったWBO世界ミニマム級王座決定戦以来となる世界戦も想定していたが、「首の皮一枚つながっただけなので」と多くを語らず。丸元会長も「世界世界ってあまり口にせん方がいいのかな。今日の出来ではちょっと」と話した。