右膝に不安を抱え大相撲九州場所(11日初日、福岡国際センター)の出場が危ぶまれている横綱白鵬(33=宮城野)が7日、出場か休場かの判断を先送りした。

初日を4日後に控えたこの日、白鵬は福岡県篠栗町に宿舎を構える部屋で、4日ぶりに朝の稽古場に姿を見せた。全体の稽古が終わるまで1時間40分、稽古場にいたが、準備運動とまではいかず体をほぐす程度で、四股とテッポウも十数回ほどやっただけ。稽古する若い衆に「もっと荒々しく、厳しく」など熱っぽくアドバイスを送るなどしたが、相撲を取る稽古からは1カ月以上も遠ざかっており、本場所出場には程遠い状態だ。

稽古終了後、風呂とちゃんこを済ませた白鵬は、報道陣の取材の要請に、両手でバッテン印を作り無言。その後、師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)が部屋関係者を通じ「今日は(九州場所の出欠を)決めかねる。明日(白鵬と)話して決める。今日のところは話はできない」と、判断を先送りする意向を示した。

白鵬は9月の秋場所で、今年初となる通算41回目の優勝を全勝で飾った。だが、かねて痛めていた右膝などの治療のため、初日から出ていた10月の秋巡業を途中離脱。同18日に、右膝の骨片摘出と、右足首にできた遊離軟骨の除去手術を都内の病院で受けた。同下旬の福岡入り後も、相撲を取る稽古はできずじまい。休場は避けられない状況だ。

そんな状態でも休場を表明できないのは、第一人者が欠けることで場所の盛り上がりに水を差しかねない状況を考慮し、ギリギリまで判断を延ばしていると思われる。