関脇照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が昨年7月場所以来の優勝を果たして、事実上決まった大関復帰に花を添えた。負ければ優勝決定ともえ戦にもつれ込む一番で、大関貴景勝を押し出して12勝目。昇進目安の「三役で3場所33勝」に3勝を上乗せした。日本相撲協会審判部の伊勢ケ浜部長(元横綱旭富士)が、大関昇進をはかる臨時理事会の招集を八角理事長(元横綱北勝海)に要請し、了承された。31日の臨時理事会、夏場所の番付編成会議を経て正式に17年秋場所以来の「大関照ノ富士」が帰ってくる。

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照ノ富士の兄弟子でもある、部屋付きの安治川親方(元関脇安美錦)は「ケガで番付が下がったけど、よく頑張った。ここまでのことは想像できなかった」と祝福した。自身が現役の時に、照ノ富士は大関昇進と大関陥落を経験。当時を間近で見ていた安治川親方は「ケガもそうだけど病気も重なった。相撲を取れる状態ではなかった」と、照ノ富士が序二段まで番付を落とした時の様子を明かした。

今回の優勝で2度目の大関昇進は確実。1度目の大関昇進時と、現在の違いについて問われると「今日1日を精いっぱい頑張っている。全てにおいて違う」と稽古に打ち込む姿勢や私生活などが、まるっきり変わったという。「他の関取衆がケガで稽古を休んだとしても、照ノ富士は若い衆相手に稽古をしていた。その時に出来ることを精いっぱいやってきた。その結果が出た」と優勝の要因を語った。