コロナ禍で20年1月の初場所前を最後に中止が続いていた、大相撲の横綱審議委員会による稽古総見が4日、東京・両国国技館で行われた。大相撲夏場所（14日初日、両国国技館）で4場所連続休場からの復帰を目指す横綱照ノ富士（31＝伊勢ケ浜）、綱とりから一転してカド番で迎える大関貴景勝（26＝常盤山）、大関とりの場所となる関脇霧馬山（26＝陸奥）、幕内力士として2年ぶりの土俵を踏む平幕の朝乃山（29＝高砂）らが参加し、申し合い稽古などで汗を流した。

春場所から新たに就任した山内昌之委員長（東大名誉教授）は「相撲の醍醐味（だいごみ）というか稽古の厳しさを久しぶりに見ることが出来た」と、3年4カ月ぶりに再開した稽古総見の全体的な感想を述べた。番付上位が稽古を引っ張った印象を「横綱と大関が率先して稽古をすると、他の力士の励みにもなる。今日は一段と気合が入っていたように見えました」の言葉で振り返った。

注目力士にも個別に言及。膝に不安を抱える照ノ富士については「慎重に取っていたようでしたが、全体として回復状況はいいんじゃないかと思います。ぜひ無理をしないということは前提になりますが、相撲ファンの前で雄姿を見せてほしいと思います」と期待した。

貴景勝についても「力のある稽古を見せていました。不安要素を、どう克服していくか」と注視し、霧馬山にも「何と言っても今日の稽古を先導した1人で意気込みをひじょうに強く感じました」と積極性を高く評価した。さらに朝乃山については「何よりも朝乃山が幕に帰ってきて元気な姿を見せた。四つに組んでも押しても、そこそこの力を見せて、もう少しで本人も満足する領域に入っているんじゃないかと思う」と期待した。