十両は新十両の東10枚目・尊富士(24=伊勢ケ浜)が優勝を飾った。

千代栄を押し出し、12勝目(2敗)で千秋楽を待たずして優勝を決めた。「落ち着いて、自分を信じて土俵に上がることができた。勝つことができてよかったです」と喜んだ。

所要8場所の十両昇進は昨年秋、九州場所と優勝争いを展開した同部屋の熱海富士と同じ。「一緒だね」と声をかけられたという尊富士は「うれしい気持ちとあと1場所早ければという思いがあった」。さらに「自分も早く優勝争いをしたい」と熱い心を隠さなかった。

相撲どころの津軽力士で同郷の師匠・伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)の期待も大きい。「旭富士道場で稽古して小さいころから知っている。よかったなという思い」と話す一方で「青森の人は横綱にならないと認めてくれないよ」とハッパをかけられた。顔を紅潮させた尊富士は「やるしかないです」と気合を入れた。

十両の壁を突破して、千秋楽の星次第では一気に入幕も見えてくる。「そこは意識せず残り1番、しっかり集中して自分の相撲をとりきりたい」と誓った。