東前頭17枚目の尊富士(24=伊勢ケ浜)が、大横綱大鵬が新入幕の1960年(昭35)初場所で記録した11連勝に並び110年ぶりの新入幕Vへ大前進した。

結び前の一番。大関初挑戦で琴ノ若と対戦し、これまでの勢いそのままに勝利した。優勝争いでも2差だった相手を突き放した。1914年(大3)5月場所の両国以来となる新入幕優勝、さらに所要9場所での史上最速Vへさらに加速してきた。

快進撃を続ける新入幕力士の最大の武器が「肝っ玉」だ。この日の朝稽古後、報道陣に囲まれて意気込みを問われると「休場です」とかました。その上で「勝つつもりでいきます。(相手は)大関なんで。やるしかないんで」と語った。

本音も漏れた。「(場所は)長いですよ。早く終わってほしいな。緊張もプレッシャーも全くないけど、楽しくはないです」。184センチ、143キロと幕内では小柄な方の体で、疲労は蓄積されている。快進撃を続ける裏で、自身の体とも戦っている。

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