関脇霧島(28=音羽山)が、優勝争いを盛り上げる。平幕西前頭5枚目の湘南乃海を寄り切って1敗をキープ。自己最速の9日目での勝ち越しを決めた。唯一の1敗力士は、全勝で単独トップの大の里と10日目に激突する。首痛で大関陥落も、痛みが癒えて本領発揮。ボクシング井上尚弥が所属する大橋ジムの大橋秀行会長(59)から授かった金言も胸に、序盤から白星を並べて勢いを増していく。
自分より45キロ重い相手を圧倒した。大関経験者の霧島が、190キロの湘南乃海を下して勝ち越し。立ち合いで左を軽く差し、右前まわしも取って十分な体勢をつくると、反撃の余地を与えなかった。初対戦とはいえ、巡業や稽古では胸を合わせたことがあった。「重いし、あまり長く取りたくない」。イメージ通り、一気にけりをつけた。
大のボクシングファンでもある。4団体統一スーパーバンタム級王者の井上尚弥の世界戦を3戦連続で観戦。「モンスター」の強さを今月3日も有明アリーナで目撃した。その井上が所属する大橋ジムの大橋秀行会長と14日に会食。東京・両国にある先代の店「ちゃんこ霧島」で鍋を囲み「試合前や試合中の精神面など、1対1の勝負に臨む気持ちについて教えてもらった」。名会長に授かった金言を胸に土俵に立っている。
もともとスロースターター。12勝で初優勝した昨年春場所の8勝目は11日目、13勝で2度目の優勝を飾った同年九州場所は10日目で勝ち越していた。9日目での給金直しは自己最速だ。大関陥落の原因だった首痛が良化。十分な稽古を積んで臨む今場所は、序盤からどんどん白星を並べる。
10日目には全勝の大の里と激突する。賜杯の行方を大きく左右する一戦になるが、支度部屋をあとにする前には「(翌日の割は)まだ見ていない」とマイペース。「考えすぎずに1番1番、どんどん前に出て相撲を取っていきたい」。シンプルな思考で、大の里をストップする。【奥岡幹浩】

