NGT48北原里英(26)が、08年3月のデビューから約10年のアイドル生活に、涙で別れを告げた。

 冒頭で「10年間で1番楽しい1日にしたい」と宣言した北原は、ほぼ全曲、自分がセンターで出演するセットリストで、過去の歴史をなぞるような曲、NGT48での思い入れの深い曲を次々と歌った。

 NGT48の同僚27人だけでなく、HKT48指原莉乃(25)AKB48横山由依(25)向井地美音(20)ら、元チームメートやゆかりのメンバーも出演した。「夕陽を見ているか?」では、横山が「10年間、人と人をつなぐ役割をしてくれて、ありがとう。たくさんの愛と優しさをいただきました。ずっと『朱鷺メッセでライブがしたい』と言っていた里英ちゃん、夢をかなえられておめでとう」と涙ぐんだ。

 北原は15年にAKB48からNGT48へ移籍した。「新潟の女になります」と宣言し、加入してからこの日で1115日。「禁じられた二人」をデュエットした指原は、「NGTに行くって決まった時は正直、どうなるかと思ったけど、メンバーにもファンにも愛してもらって本当によかったね」と、北原をほほえましく見つめた。

 本編ラストの「青春時計」では、荻野由佳(19)高倉萌香(16)中井りか(20)らが次々と泣きだした。北原も最後にこらえ切れず涙を流し、「我慢してたのに…」と本音を明かした。

 アンコールでは、卒業ソング「私のために」を披露した。NGT48のイメージカラーでもある深紅のドレスをまとい、しっとりとした大人のバラードを歌った。「楽しいことばかりではなかった10年間、私を救ってくれたのは新潟県です。新潟に来て、大切だ、好きだと思うメンバーに出会えて、信頼できるスタッフさんに恵まれて、成長できました。こんな風に卒業できることが、今でも夢みたいです」と感謝した。

 出演メンバーたちに囲まれながら、グループのオリジナル曲「Maxとき315号」を披露すると、そのままトロッコに乗って場外へ。信濃川まで出て、2年半前のお披露目の際に乗った船に乗って去っていった。途中でトロッコを必死に押すスタッフの姿も映し出され、場内には笑いも起きた。柏木は「お披露目されたときの船で、女優のように旅立っていきましたね。感動とシュールの中間なのが、里英ちゃんの絶妙なところですね」と解説していた。

 北原は18日にNGT48劇場で卒業公演を行い、グループの一員として活動を締めくくる。