SKE48松井珠理奈(22)が7日、名古屋のSKE48劇場で行われたチームS公演に出演し、グループからの卒業を発表した。

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松井は責任感が強く、人一倍頑張り屋で気遣いの人だった。SKE48の1期生としてグループを引っ張り、同期や後輩が卒業する背中を見守った。そのたびに彼女の中で「自分が頑張らなくては」という思いが強くなっていく。

その最高潮が18年のAKB48世界選抜総選挙。SKE48のホームとなるナゴヤドームでの開催に「ファンの方が寝ないで投票してくれているのに、私が寝られないじゃないですか」と開票までの三日三晩は不眠不休だった。だがその代償は大きく、それ以降、体調不良を繰り返した。

アイドルだからファンの前では常に笑顔を心がける。最初の活動休止後の劇場公演では気丈にも涙をこらえながら笑顔を作った。あの時最初に発した「やっぱり帰る!」は松井のアイドルとしての姿勢が詰まっていた。

会見取材の際、挙手するも当たらない記者に気付くと「あの方、さっきからずっと手を挙げますよ!」と助け舟を出す。こんな気遣いが出来るのも、長年リーダーとしてグループを引っ張ってきたからこそなせる業なのだと思う。

それでも、松井不在を支えようと必死に頑張る後輩らの姿を見て決意できたのだろう。安心してバトンを手渡せると。【川田和博】