女優柴咲コウ(26)が主演する映画「少林少女」(東宝系26日公開)のプレミアム試写会が13日、香港・九龍のグランドシネマで行われた。共演のティン・カイマン(46)ラム・チーチョン(31)本広克行監督(42)とともに300人のファンに囲まれた柴咲は、香港、マカオでの公開決定を明かした上で「子供からおじいちゃん、おばあちゃんまで楽しめる映画。みんなに見てもらいたい」と笑顔を見せた。00年アカデミー賞で外国語映画賞など4部門を受賞した「グリーン・デスティニー」などの大物プロデューサーのビル・コン氏が代表を務めるEDKO社が配給を決めた。ほかにも世界30社からのオファーが来ている。

 演じるのは中国・少林拳武術学校で3000日の修行を終え、日本で少林拳を広めようとする少女桜沢凛。フジテレビ亀山千広映画事業局長(51)と、「少林サッカー」の主演・監督のチャウ・シンチー(45)のコラボから始まった。武術指導の西冬彦プロデューサー(42)は「女優にできるわけない」と思っていたが、台本を読んだ柴咲が「面白い。どれくらいけいこを積めば」と質問。「1年間」という答えに、06年4月から1年間指導を受け、クランクインした。「最初は体が、気持ちについていけず、悔し泣きばかりしていた」という柴咲だが、迫力ある少林拳のシーンとなって実った。この日のカンフーの本場での上映後も、拍手が鳴りやまなかった。

 中でも、迫力満点なのが柴咲が顔面を蹴られるシーン。柴咲は「リアリティーが欲しいから大賛成。相手を信じるだけ。失神してもいいや。ただ、逃げないようにしようと思った」と振り返った。本広監督は「延髄のところを蹴られるのを、2回目でOKを出そうとしたら、コウちゃんが『3回目やります』と言い出して、結局4回撮りました。内出血で、次の日は青くなって大変でした」。

 格闘シーン連続だが、柴咲のアイデアで意外な結末も。柴咲は「女性が男性に勝てるのは『母性』。悪をも包み込むことができる。それを見て欲しい」と話していた。